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2006-8-12 ITのお話 社長blog

フラット化する世界

現在、書籍売り上げ上位にランクされているトム・フリードマンの書籍です。
まだ、上巻の半分程度を読んだだけですが、この手の本は最初に受けた感動が大きいので一旦 Blog にコンテンツをあげてしまいます。

本書はタイトルのとおり、情報化、デジタル化に伴って世界が均一になる、と言うことを表現している本です。

私が読み終わった部分に関しては、フラット化の具体例を挙げています。世界の各地で行われているさまざまなフラット化の事例を取り上げて、フラット化とはの認識を読者と共有しているパートです。

確かに、インドのコールセンター、ブルージェットのホームソーシング、TV 会議による首脳会談、世界トップと同じ環境で日本よりも貪欲に成長を夢見る中国の動きは世界のフラット化を感じさせます。

ただし、ただし、です。
物事には必ず二面性があるはずです。本書を東京で読まなくてよかった。

幸い、私は昨日まで和歌山県に居ました。本州最南端に程近い、那智勝浦町という所です。仕事の進捗確認及び、顧客問い合わせの確認をするために PHS の通信環境を確保するために、電車で 2駅、車で15分は走らなければならないいわゆる片田舎でした。そこでは私の両親が生活しています。彼らはにとって世界はフラット化しているのでしょう か。ある意味フラット化しています。「井の中の蛙」というやつです。彼らは外部世界をまったく知りません。気にしているのは日々の天候くらい。風と雲の動 き程度です。

この事実を目の当たりにすると世界のフラット化まったく全員が同時に生活(労働)ステージを上げることではないことがわかります。フラット化している世界 は意欲ある人にとって、ということです。世界のフラット化とは地域による差が無くなっただけで、全世界規模で階層化が始まったということの別の側面の言い 方に過ぎません。

では、世界の同時並行階層化はこのまま進むのでしょうか。そうは思いません。

昔、ほんの10数年前まで、世界は資本主義世界と共産主義世界に分裂していました。なぜ、世界に共産主義が生まれたのか、それは行き過ぎた資本主義を反面教師として新たな理想郷を世界の人々が夢想したからです。

つまり、現在進行している世界の同時平行階層化を抑止する力は必ず働きます。
その流れに抵抗する動きは必ず発生します。私たちはそのときに必要なソフトウェアを必ず作っていたいと思っています。単なるギャップフィーラーではなく、恒常的に情報化した世界を律する矯正器、そんなイメージですね。

重要視するのは、情報の方向です。
受動する情報であれば、本州最南端でも受け取れます。TV で。ただし、発信や意欲的な受動する情報の選択が不可能です。そのギャップを埋めなければなりません。

まだまだ、思考は端緒についたばかりです。
ただ、原型はあります。弊社のアプリケーション、Greenhorn です。

これは情報の階層化を行うことにより、個人の階層化に歯止めをかけようという
試みです。まずは形にしないと。

がんばります。